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「……」
深夜。
生駒は結局透の部屋に泊まり、先程のベッドを占領したまま体を休めていた。
…熱い。
身体が火照って仕方がなかった。
もぞもぞとしきりに体を動かし出した生駒に、脇のソファで寝ていた透も気付いたようだ。
「どうした?」
「なんか熱くて…」
「…熱が上がってきたんじゃないのか」
そう言って、透が生駒に手を伸ばした。
熱を確認しようとしたのか、冷たい掌が生駒の額に触れる。
その時だ。
「ふぁっ…!!」
触れられた瞬間、生駒の身体がピクリと跳ねた。
全身に電気が走ったような感触がした。
「な、何……?」
生駒自身もよく分かっていないのに、そんな生駒を観察するように見ていた透が、うん、と頷く。
「効いてるな」
真顔のまま、そっと呟いた。
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