序章 光の中、懐かしい想い

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  ―――――あったかい。   花の甘い香りがする。 木々の揺れる音が聞こえる。 透き通る風を肌に感じながら、リオはゆっくりと目を開けた。   ―――――ここ…?   はっきりとしない意識の中で見たのは、暖かい光に包まれた美しい世界だった。   たくさんの緑の草木。 色とりどりの花。 どこまでも深く続く青い空。 その空へ、銀色の風が高く高く突き抜けてゆく。   ―――――………。   思わず言葉を失ってしまうほどに、目の前のそれは美しかった。   でも…ここは初めて見るところなのに、この感じは何だろう?   とても懐かしくて、胸が締め付けられるような。   だけど、ホッとするような。
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