序章 光の中、懐かしい想い

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必死に目を凝らし、その人影を見失わないようにする。   その人は何かこちらに言葉を投げ掛けてくれているが…。 でも聞こえない。   澄んだ湖が、声を吸い込んでいくように感じる。   「何っ、何て言っているんだ!」   必死に声をあげる。 高鳴る鼓動。 体が熱い。   キミは一体、誰?   夢中で問い掛けたのに、急に意識が遠くなっていく感じがした。   「―――――っっ!!」   何っ?   視界がだんだん薄れていく。 何だか体から力が抜けていくみたいだ。 遠くに見えた神殿も、あの湖も、この体に受けた光さえも、全て遠くなっていく。   そしてあの人も…消えてしまう―――――。
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