第一章 訪問者

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ガバッ!!   勢いよくフトンをはねる。   「また…だ。」   夢の余韻が残っている中で、ポツンと独り言。 寝グセのついた銀色の髪をかきながら辺りを見回す。 起きたばかりで、視界も頭ン中も少しボヤけてはいるけれど…そこは何の変哲もない、いつも通りの自分の部屋だった。   けれど…。   さっき見た夢。   あれは、ただの夢だってどうしても思えない。     ここに来てから何回、同じ夢を見た?     ベッドから降りて、まだ半分寝呆けたまま歩きだす。 夢の中の花の香りや、肌をかすった風の感覚がそのまま残って体に染み付いているみたいだ。   それに―――――。
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