第一章 訪問者

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しまった!!   黒いフードを被った大きなそれは、真っすぐとこちらに走ってくる。 そして二メートルくらい手前で剣を振り上げ、飛び掛かってきた。   まずい…! “出てこい”と言って、けしかけたのはこちらだが。   左手を後ろにまわし、短剣を抜く。   間に合うか?   いや、間に合わなければ大ケガでは済まない。   ヘタをすれば…。   わずかな間に、あれこれ思いを巡らせる。   「くっ…!!!」   思うより先に体が反応した。   金属のぶつかる音が高く空に響き、咄嗟に出した短剣と、振り下ろされた剣とが十字に交わる。
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