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家に帰って来た。
自転車で学校へ行かなかった冬磨は、重岡の自転車で2ケツして帰ってきた。
「ただいま~。」と冬磨。
キッチンで夕食を作っている母が返事をする。
母は冬磨の入学式のため仕事を休んだ。
いつもは仕事で夜遅くまで帰ってこない。
夜勤の日もあって、帰ってこないときもある。
何故ここまで母が働くかというと、冬磨の父が若くして不慮の事故で亡くなってしまったからだ。
だから今まで母が女手一つで冬磨を育ててきた。
冬磨はそのまま階段を上がって自分の部屋へ行き、ベッドに倒れ込み今日あったことを思い出す。
当然思い出されるのは、あの子のこと。
「俺、あの子の名前すら知らないんだよなぁ。」
冬磨はちょっと悲しげな表情になる。
「あーあ。腹減ったぁ。」
冬磨はコンビニへ行くことにした。
夕食時はいつもは母がいないため、前もって母から食費は貰ってて、コンビニで適当に弁当とスイーツを買って食べている。
冬磨は甘党なのだ。
つい、いつもの癖でコンビニへ向かった。
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