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  結局、僕は担任が来るまでこの佐々木の話を10分近く聞く羽目になった。     …その後、新しい担任からお決まりな「高校最後の1年、悔いのないように過ごせ」だのというありきたりなつまらない挨拶を聞く。     退屈でたまらない。     そして、長い始業式も終わり、やっと帰宅の準備をしている…と、またあの佐々木が近寄ってきた。     「なぁ、ミズ、携帯の番号交換しようぜ!」     …もう解放してほしい…。 できる事なら、この空間から1秒でも早く去りたいのに。     この当時、まだ携帯に赤外線機能が付いている機種はあまりなく、アドレス登録は本当に面倒だった。  
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