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「ミズ、ごめんごめん!」
しばらくして、佐々木がまたこっちを向く。
「あいつさ、女子テニスの部長なんだけど、ちょっと訳あって、部活サボり兼ねないから毎日ああやって声かけしてるんだ。」
「へー。」
…少し悪いかな、とは思いつつも、僕は素っ気ない一言で会話を終わらせる。
「あ、登録終わった?」
帰り支度がバッチリな僕に気付いた佐々木は、少し申し訳なさそうに言ってきた。
「うん。じゃ、後で僕の番号メールしとくわ。」僕は鞄を肩に掛けながら佐々木に言った。
「おう、わかったよ!待ってるな。そしたら、また明日なー!」佐々木は満面の笑顔で手を振っている。
…こうしてやっと、僕は佐々木から解放された。
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