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「……ごめん、やっぱりもう無理だよ…。」
窓の外は、久しぶりの大雨。たまにピカっと雷まで光っている。
電話口で泣きながら話すエリの声を聞きながら、僕はアスファルトに打ち付ける、バケツをひっくり返したような雨を、ただぼんやりと見ていた。
「…私ね、祐と付き合ってて、寂しく感じなかった日なんて、1日だってなかったんだよ。祐はいつも私の事なんて見てくれて無かった。付き合ってるのに、いつも私一人の片想いだった…。」
受話器の向こうで、泣きじゃくっているエリの姿が目に浮かんだ。
…ってか、自分から別れ話を切り出しておいて、泣くなよ。
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