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「カレーの次のご飯って絶対カレーうどんだよな」
「仕方ないよ。定番なんだから」
晩御飯を食べ、講義を終えた俺達は自室に戻りながら他愛もない話しをしていた。
ちなみに、講義というのは精神がなんちゃらとかいうよく分からない内容だった。
が、ミレイユが隣にいたせいで寝れなかった事だけはしっかりと覚えている。
「今何時?」
「10:45だよ」
「就寝まで時間あるしちょっと散歩行こう」
「デートの誘い?」
「そういうことでいい」
「いいよ。まあ私にはしっかりと先着者がいるんだけどね?」
「え?騎士団内にか?」
「違うよっ。故郷に・・・・いたんだけど・・・・」
彼女の顔色が少し暗くなる。
人の過去に踏み入る趣味はないので詮索はしない。
「あそこのベンチに座ろう」
俺は玄関横の風当たりのいい木製のベンチを指差した。
彼女はまだ何かを考えているようで、ただ無言で俺の後ろについて来るだけだった。
心地良い風が頬をくすぐるように通り抜ける。
一言も発しないミレイユを見る。
肩までのショートに切り揃えられた髪の毛は珍しく灰色がかった白髪で、端麗な顔立ちをしている。
俗にいう「可愛い」に値する
少し、そのミレイユがいう先着者に嫉妬してしまう。
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