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「なぁその髪の毛の色、地毛?」
白と灰色の中間、いや、これはもう白なのか?
どっちでもいいがその髪の毛を見ながら尋ねる。
「あ、これ?もちろん地毛だよ。
私の村では珍しくなかったんだけどな・・・」
そういって、彼女は水色のカチューシャを取り外し、髪全体を掻き上げるように手櫛を通す。
「そういうアレン君のその茶色の髪の毛は?
っていうか髪の毛ボサボサだね・・・・?」
彼女は俺の頭髪を若干引き攣った目で見ると、持っていたハンドバックから何かを取り出した。
「これを・・・こうして・・・
はい、完成っ」
お揃いだね?
そういってニッコリと笑う彼女から俺の頭に飾られたのは一輪の水色のカチューシャ。
茶色の髪に水色はどうかと思うが。
ちなみに俺の茶髪も地毛だ。
それと、つけられる際顔が近づいた時に少しドキリとしてしまったのは言わないでおく。
「いいのか?こんなことして?
これじゃまるで」
「カップルみたい・・・
でしょ?
いいよ、私は割り切ってるから」
こいつ、中々刺のある事をスラリと言いやがって。
でも、その後俺の口から出たのはむしろ感謝の言葉だった。
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