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大きく欠伸をしたその時だった。
「ッ!!」
不意に横の裏通路に通じる草むらからなにかの気配を感じた。
「・・・・ミレイユ」
「うん、いたね」
体勢を構えながらゆっくりと草むらへと近づいて行く。
が、そこにはただ空き缶のゴミがあるだけで人気は到底あるはずがなかった。
と、なれば。
「ミレイユ、この裏通路の奥にある窓から入れる部屋は!?」
「えーっと、書庫だったかな?」
「よし、捕まえよう。さっき人の気配がしたのは間違いじゃない。
見習いをナメたら痛い目に合うって事を教えてやる」
――――――――――――――
ゆっくりと。
しかし素早く。
しかし、ゆっくりと『書庫』と書かれたプレートを提げた扉を開ける。
中にはもしかしたら凶器を持った凶悪犯がいるかもしれない。
この書庫に狙われるような物があるとは思えないが、相手が法に反する行為者には違いない。
「・・・・?」
中は真っ暗。
人の気配も感じとれない。
やはり思い違いか?
警戒心を解き、普通に扉を開ける。
その時だった。
「アレン君!しゃがんで!」
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