異変

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間髪空けず直ぐさま頭を下げ、体勢を低く構える。 刹那。 何か波動なような物が俺の頭上を通り過ぎたかと思うと、それは開けっ放しの扉に衝突する。 慌てて損傷を受けたであろう扉を振り返り見る。 扉は壊れはしなかったものの、透明の蜃気楼のような波動が直撃した書庫と書かれたプレートは音を立てて砕け、その破片はパラパラと床にこぼれ落ちていた。 ・・・・なんだ今の?何かの武器だろうか? 廊下にいるミレイユと目が合い、お互いに事の重要さを悟る。 逃げなければならない。 第六感が危険信号を出している。 もしあれが体に当たれば痛いでは済まないだろう。 服は裂け、出血はするに決まってる。 しかし、本当にこのまま逃げていいのか? ・・・・・・・・いや、ダメだ! なんとなくっ! 「アレン君!」 呼び止めるミレイユの声を無視して一気に加速する。 冷や汗を拭い、素早く本棚の影に潜む相手に近づき、回し蹴りを放つ。 しかし相手はそれをいとも簡単に受け流し、更には一発背中にカウンターの拳を入れられてしまう結果になった。 「くっ・・・」 自分の鍛え抜かれた腕や脚を見る。 筋肉の質や瞬発力、体術には自信があったのに。 だんだん目も暗闇に慣れてきたが、暗闇の中での戦闘の経験はあまりない。 まさか電球が壊されているとは思っていなかったからもちろん懐中電灯も持っていない。 くそ、どうすれば倒せる・・・・!
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