5人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日はカレーか・・・・」
さっきのトイレ掃除のために嫌な事を連想してしまったのは俺だけじゃないはず。
とにかくだ。
俺の胃袋が旨そうな匂いのウン・・・・じゃなくてカレーを欲しているのには違いない。
しかも、自分の横には美味しそうにそれを頬張るヤツの姿もある。
「なぁ、一緒に食べてるのに会話なし?」
食べるのに夢中だった彼女は不意打ちの俺の言葉をくらいむせ返ってしまった様だ。
「ゲホッ!・・・・
あぁごめんなさい・・・・
ここのおばちゃんのカレーほんと美味しいから」
そういって彼女は手元にあったナプキンで上品に口の周りのカレーを拭き取る。
その手慣れた作業を見て、少し賎しい想像をしてしまう。
「・・・・金持ちだったのか?」
少し声のトーンを下げて問い掛けてみる。
「んー・・・・分からない。
でも振る舞いには大分注意された覚えはあるかな?」
彼女は手に持ったナプキンを指差しニコリと笑った。
こうしてよく見ると整った顔をしてる。
あ、そうだ。肝心の名前聞いてなかったな。
俺のはもうご存知だろうけどな、そういって俺はポケットから名前プレートを取り出し彼女の目の前に突き出した。
それに応える様に彼女も俺に名前プレートを見せてきた。
「ミレイユ・ルルノイエ・・・・。
ミレイユでいいのか?」
何も言わずしてカレーを口に運びながら頷くミレイユ。
オッケーてことだよな?
じゃあ、早速俺もカレーを食うかな・・・・
スプーンを掴みご飯とカレーがうまい具合に絡まる場所に突っ込む。
最初のコメントを投稿しよう!