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「今日は13日の金曜日ですからね」
杏璃が言うと悠河は思い出したように、ああ、と相槌を打った。
「そういえばそうだったな」
「だから今日もきっと、こんな目に遭ったんだわ」
「今日も?」
悠河が聞き返す。
「私、何故か分からないけど13日の金曜になると必ず良くないことが起こるの」
答えながらそんな自分が情けなくて、杏璃はため息を吐いた。
「前は財布を落として、その前は仕事をクビに。その前なんか交通事故に遭ったのよ。今日は彼氏に山道に放置されるし」
「そうだったのか……」
悠河の相槌に、自分が聞かれてもいないことをベラベラ喋っていたことに気付いた杏璃は急に恥ずかしくなった。
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