2.出逢

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鉄二など足元にも及ばない。 美しさで競うなら、同じ舞台にも上がれないだろう。 「俺の顔に何かついているか?」 悠河が唐突にそう言ったので、杏璃は慌てて顔を逸らした。 気付かない間に凝視してしまっていたようだ。 「ごめんなさい、えっと、その……。なんでもないの」 もごもごと口ごもってしまう自分が格好悪い。 ふと誤魔化す様に外を見ると、見慣れた景色がそこにはあった。 「あ、あそこの駅で降ろしてください」
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