3.暴漢

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辺りは薄暗く、男は殆ど影でしかなかった。 節くれだった手が体を這い、破るように服を剥ぎ取られる。 杏璃はただ震えながら耐えるしかなかった。 「うぅ……」 小さな声ですら出すと殴られる。 何度も殴られた杏璃の意識は朦朧とし始めていた。 何でもいいからこの悪夢から少しでも早く解放されたい。 そう願うしかできなかった。
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