第3話

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「満足した?」 結局、夜中の二時半。 肩で息をする程 罵りあっていた二人。 そのボキャブラリーの豊富さに 関心するやら、呆れるやら。 脳ミソのキャパシティーの 無駄遣いだ、 と楓は心底思った。 「もう今日は遅いから、  紅葉をウチに泊めるけど、  いいよな雪?  てか、もう両親に紅葉を  泊めるって言っちゃった。」 強引。 雪と楓は同居している。 My sweet honeyの 楓に言われてしまっては 断る訳にはいかない。 週末なので 紅葉は学校に行く必要もない。 反対するのに適する材料もなく、 しても彼が自分の意見を 押し通すであろうことは 容易に想像できる。 不満も露に、 雪の運転する三人を乗せた車は 雪と楓の愛の巣、 "日和り(ひより)ハイツ"の 駐車場へと滑り込んだ。
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