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楓は二人に
ソファーに座る様に指示し、
珈琲をいれた。
「紅葉。」
「楓兄…」
捨てられた仔犬の様な目で
楓を見上げる。
「お前に何があったのかは
知らない。けどな、
例え血を分けた兄であっても
恋人の事にごちゃごちゃ
口を突っ込むんじゃない。」
「はい…」
「俺はお前より
十二年長く生きている。
少なくとも、
お前よりは人を見る目は
あるつもりだ。それに、
今のお前は、ただ雪が
気に食わないだけだろう?
そんな失礼な事があるか?」
「ごめんなさい。」
俯き、謝る紅葉にいい子だ、
と頭を撫でた。
擽ったそうに目を細める。
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