第5話

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楓は二人に ソファーに座る様に指示し、 珈琲をいれた。 「紅葉。」 「楓兄…」 捨てられた仔犬の様な目で 楓を見上げる。 「お前に何があったのかは  知らない。けどな、  例え血を分けた兄であっても  恋人の事にごちゃごちゃ  口を突っ込むんじゃない。」 「はい…」 「俺はお前より  十二年長く生きている。  少なくとも、  お前よりは人を見る目は  あるつもりだ。それに、  今のお前は、ただ雪が  気に食わないだけだろう?  そんな失礼な事があるか?」 「ごめんなさい。」 俯き、謝る紅葉にいい子だ、 と頭を撫でた。 擽ったそうに目を細める。
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