第6話

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「うん。…兄ちゃん、  今、幸せ?  オッサンの事好き?」 「あぁ、大好きだよ。  幸せ過ぎて怖いくらいだ。」 「うん…」 「紅葉?」 楓が真剣な声で言った。 「お前も、もう十八だ。」 いきなり何を言い出すのだろう と思った。 「そろそろ…兄貴離れしろ。」 何も言えなかった。 「父さんも母さんも、  あんなだから  甘えられないのは解る。  小さい時に充分に  甘えられなかったのも  知ってる。でもな?  いつまでも兄ちゃんに  くっついてちゃ駄目なんだ。  俺は、お前の歳には  もう働いてた。」 「兄ちゃん…」 「でも…」 「…?」 「それでも、たまには  甘えて欲しいと思うのは  我が儘かもな…」 紅葉が楓にギュッと抱きついた。
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