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「うん。…兄ちゃん、
今、幸せ?
オッサンの事好き?」
「あぁ、大好きだよ。
幸せ過ぎて怖いくらいだ。」
「うん…」
「紅葉?」
楓が真剣な声で言った。
「お前も、もう十八だ。」
いきなり何を言い出すのだろう
と思った。
「そろそろ…兄貴離れしろ。」
何も言えなかった。
「父さんも母さんも、
あんなだから
甘えられないのは解る。
小さい時に充分に
甘えられなかったのも
知ってる。でもな?
いつまでも兄ちゃんに
くっついてちゃ駄目なんだ。
俺は、お前の歳には
もう働いてた。」
「兄ちゃん…」
「でも…」
「…?」
「それでも、たまには
甘えて欲しいと思うのは
我が儘かもな…」
紅葉が楓にギュッと抱きついた。
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