4.シンガッキ

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「何十年か前にな、ある男子生徒が自殺したんだよ。この学校で」 「えらいアバウトだな」 「そいつが自殺したのは……4月7日」 「そこはハッキリしてんのな」 「なにか引っかからねー?」 「……さぁ?」 「今日は何日だよ?」 「あっ」 「そう。今日は4月7日なんだ」 「偶然だろ。てゆーかお前が今日を選んで話してるだけじゃん」 「そしてな、4月7日……そいつが自殺した日にはそいつの霊が出るらしいんだ。そいつが自殺した場所で」 「フーン。どこよ? 理科室とか?」 「2年2組だ」 「ここじゃねぇか。まさに現場じゃん!」 「だんだん怖くなってきたろ?」 「信憑性がない」 「あるよあるよ」 「ねぇなぁ。現段階じゃぁ」 「そいつはひどいイジメを受けていたらしい。臭い、キモイ、変態! 」 「よくあることさ」 「まぁな。当時のそいつの机は最悪だったらしい。油性でいろんな事書き殴られたりしてな」 「今と昔も変わんねーんだな」 「その机がな、今もこの学校のどこかで使われてるらしいんだ、綺麗にされて」 「それは少し怖い」 「だろ?」 「でもそれが見つかっても証拠にはならん。霊が出るっていうな」 「なかなか難しいもんだな信じてもらうのって」 「え?」 「いや、なんでもない。あっ先生きたぜ」 「お、本当だ。続きは休み時間聞かせろよ」 「はいみんな席ついて! 権田! 座りなさい! じゃまず出席とるから。っても名前呼ばないけど。空席チェックしかしないからね私。だから遅刻には厳しいわよ。名前呼ばれるまでセーフとかないからね……立木の後ろ……津村はまだきてないわね」 「え……先生。後ろは田中ですよ? てゆーか田中は来てます…………あれ?」 「なに言ってんの? あなたの後ろは津村よ? てゆーか去年同じクラスだったじゃない」 「はぁ……」 「じゃぁ、まず新学期の配布物から~。量多いわよ」 「たーちぎ!」 「おぅ。拓也」 「新しいクラス友達いないから来ちまったよ。どうした元気ねぇな」 「いや……」 「つーか津村休みかよ。サボリだぜあいつ多分。机にいたずら書きしてやる。立木、マッキー貸して」 「なぁ、拓也」 「ん?」 「一回立ってさ、津村の机の裏側を俺に見せてみて」
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