102人が本棚に入れています
本棚に追加
忍び寄る恋の影
理由を聞かれても、分からない。分からないから困るのだ。
追いかけて追いかけてみても、いとも簡単にすり抜けてしまう細い腕。
それでも諦めきれないのは、知りたかったから。
どうしてあんな顔をしているのか。目の前にいたら、泣いているか怒っているか。
遠目に見つけても、いつも一人でいる君は、笑顔を見せることはない。
……そんな君の本当の顔を俺は知ってる。
あの日目にした、あの顔をもう一度見てみたい。
そして、こんなにも君を望んでしまう俺の焦燥感。嫌になるほどに、浮かんでは消える君の声と、その姿。
自分でも知り得ない、この気持ちが何なのか。
その理由を知りたかった……
《忍び寄る恋の影》
最初のコメントを投稿しよう!