忍び寄る恋の影

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忍び寄る恋の影

理由を聞かれても、分からない。分からないから困るのだ。 追いかけて追いかけてみても、いとも簡単にすり抜けてしまう細い腕。 それでも諦めきれないのは、知りたかったから。 どうしてあんな顔をしているのか。目の前にいたら、泣いているか怒っているか。 遠目に見つけても、いつも一人でいる君は、笑顔を見せることはない。 ……そんな君の本当の顔を俺は知ってる。 あの日目にした、あの顔をもう一度見てみたい。 そして、こんなにも君を望んでしまう俺の焦燥感。嫌になるほどに、浮かんでは消える君の声と、その姿。 自分でも知り得ない、この気持ちが何なのか。 その理由を知りたかった…… 《忍び寄る恋の影》
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