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次の日になっても僕はスッキリしなかった。
真吾の話を聞いた限りだと僕は先輩に弄ばれただけなのではないだろうかと思っていた。
それはそれでしょうがない。
僕にそれだけの魅力が無いからだと納得しようとしていた。
ただ何かスッキリしない。
僕は授業を受けている間も昼の弁当を食べている間も考え込んだ。
気が付くと今日最後の授業になっていた。
外には雪が降り出していた。
不意に僕は気が付いた。
僕は何もしていなかった。先輩からメールを受け取り、先輩の話を聞いただけ。
僕は自分から何もしていなかった。
それでフラれたんだからスッキリしない訳だ。
僕は先輩に告白する事にした。
ただ小心者の僕は告白にメールでする事にした。
授業が終わり、サッカー部が一気に外へなだれ込んでいった。
僕はいつも通り最後に教室を出て、部室に向かった。
その途中で、真吾に会った。
「よぅ~。元気?」
真吾は心配そうに聞いてきた。
「元気だよ。真吾くん、俺、今日部活休むよ。」
「えっ!!!」
「体調悪い?それともやっぱ先輩に会いづらい?」
真吾はますます心配そうに聞いてきた。
「う~ん、会いづらいのはあるけど…。 けじめ付けようと思うんだ。」
「け、けじめ!?部活辞めるとか言わないよね?」
確かにけじめって言ったらそうなるかも。ちょっと言葉が悪かったと思ったので僕は。
「あはは。違う違う。でも今日は休もうと思う。明日は必ず行くよ。真相は先輩に聞いて下さい。」
と言って僕は部室の反対方向を歩き出した。
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