*君は渡さない*

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えっ… まずい…このままでは危ない。 父親は、かなり興奮しているようで、 「俺の沙良を…俺の沙良を返せ!」 そう言いながら、ジリジリと俺達に詰め寄った。 俺は、沙良を自分の後ろへと促し、かばうように後退りした。 でも、父親の目的はきっと俺だ。 こんなとこで俺は負けてなんかいられない。 俺がいなくなったら、沙良はどうする? また、前の生活に戻る事になる。 そんな事は…絶対にさせない。
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