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目の前の「女子高生」は某有名高校の鞄を肩から掛けている。
少しだけ茶色に染めた髪が穏やかな風に揺れる。
若葉の匂いに混じって、リンスの香りが私の鼻に届いた。
白いブラウスは衣替え前でも、この陽気を考えれば不思議ではない。
不思議なのは私の目だ。
少し歩みの速い彼女の足元から視線を徐々に上に上げる。
日差しを受けててかったローファーは新品なのだろうか。新入生か。
黒いソックスは清楚な印象すら受けるが、どうせ校則なのだろうな。そんな憶測を生む。
ふくらはぎまで隠された素肌は膝の裏から太ももに掛けて晒される。私の視線はそこで数秒間止まる。
そして
殆ど病気だなと、
自己嫌悪が入る。
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