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午後四時、僕は先生との待ち合わせ場所である教材倉庫前に居る。
もうすぐ先生が来ると思うと、緊張してきたな~などと思いながら、待つ事数分、ようやく先生が現れた。
杏音『ごめんね~待たせちゃいましたね。私に用って何ですか?』
健二『僕も今来た所ですから、気にしないで下さい。
話と言いますのは、
僕は先生が居るからこの高校を受験したんです。
僕は、ずっと昔から先生の事を見て来ました。
先生は覚えていないかもしれませんが、僕は先生が二歳の頃からよーく知っています。
僕は、先生に昔の事を思い出して欲しいとは思っていません。
だけど、僕は初めて先生に会った時の事は、ずっと忘れられないと思います。
今までは、先生の事を遠くからでも見ているだけで満足出来ていましたが、数日前、先生が橋田先生に無理矢理キスをされているのを見た時、僕はもう我慢出来なくなってしまいました。
僕は先生を手元に置いて、汚い虫から先生を守りたいと思ったんです。
どうかお願いです、僕と交際して下さい
。』
杏音『・・・私は教師という立場上、生徒を好きになってはいけないんです。
それは、貴方も分かっていると思います。
けれど人間は、愛しいと感じる人が出来た時、自分の思いを伝えずに終わるのは、いつまでも忘れられなくなってしまうのではないかと私は思います。
貴方の気持ちは、とても嬉しいです。
言葉にした分、気持ちは少し楽になったでしょう?
一週間、私に考える時間を下さい』
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