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「なあ なんか今日 お前機嫌悪くないか?」
「・・・別に」
いや 実際機嫌悪い。
「嘘だぁ。絶対機嫌悪いって! どうせ親父さん関連だろー?」
大当たり。なんかコイツに当てられると腹立つな。
なんで俺の機嫌が悪いか?
実は 今日から親父は二泊三日の出張でいなくなる。正直 飛び上がるほど喜ばしいことだ。だがな 俺が全く喜ばない・・・つか むしろ機嫌が悪いのはなぜか?
それはな 奴が俺にペットの世話を押し付けやがったからだ。
それがどうしたって?
それが問題なんだよ。
奴が押し付けたペットは犬 猫の類いじゃない。
・・・タランチュラ だ
はぁ!?って感じだろ?飼うならもっと一般的なのにしろ!
つか、あの野郎 自分の息子になんてもの押し付けてやがるんだ!噛まれたらどうすんだ馬鹿!・・・・・・まぁ 死ぬような毒はないけどな。とは言ってもあんなでっかい毒グモ押し付けねぇだろ普通!?ありえねぇ!
ついでに言っておく 俺はクモは大嫌いだ。
いや 虫は大丈夫だぞ?ゴキブリだろうが ゲジゲジだろうが ムカデだろうが 毛虫だろうがどんと来い!だ。だが なんか知らないが どうもクモだけは苦手だ。
親父はそれを知ってるはずなんだが・・・嫌がらせじゃねえだろうなぁ・・・。だったら絶対許さねぇ。
・・・話がそれたな。
とにかく そんなこんなで俺は機嫌が悪かった。
「いい加減仲直りしろよー。」
「うるせぇな・・・喋ってないで練習しろ」
練習ってなんだ?と思っただろう。実は俺とコイツ・・・西田大輔は今 部活の自主練に来ている。
別に待ち合わせして一緒に来た訳じゃない。たまたま同じように来ただけだ。
西田とは 中学のサッカー部で知り合った。
天然で時に癒し系。3年生で同じクラスだった時は クラスのマスコット的存在であったような気がする。普段はよくしゃべるうるさい奴で全然癒されないけどな。・・・まぁ そんな奴だ。
じゃあ 今俺らがいるのはサッカー場なのか?
いや 違う。俺もコイツも もうやってない。
今いるのは弓道場だ。
そう つまり今現在俺らは弓道部に所属している。
理由?・・・・・・面白そうだったから。ちなみにコイツはモテそうだからだとよ。・・・不純だろ?
「わかってるよ!」
と言ってやっと弓を手にとる。
今 この弓道場には俺と西田しかいない。
とりあえず 俺も弓を手にとる。
「西田。」
「何?」
「負けた方は昼メシおごりな」
「それ 100パーオレのおごりじゃん・・・」
「やってみなけりゃ分かんねぇだろ?」
結果は 見えてるがな。
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