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「勢いで仁を連れ出したけどさ、帰り難くない?今日うち来る?」 あの時は、私がいなくならないと家政婦さんが可哀相って思って。だけど、仁をあの家に残しておけなかったから。 でもさ。冷静に考えると、仁にとったら私がした行動は逆効果だったんじゃ… 「いや、家に帰るよ。今は仕事に戻ったろうから。今日はたまたま、何かのついでに家に寄ったんだろう。悪かったな、色々不愉快な思いさせて」 ベンチに座る仁が私に謝る。 同じくベンチに座っている私は、仁を見て笑った。 「私は気にしてないから大丈夫だよ?打たれ強いしねー。あ、家政婦さんは大丈夫かな」 「きっと、渚を見て、こんな明るい子なら俺を救い出してくれるって思ったんだろう。喜んでたのはきっとそれ。あの家では、あの家政婦さんだけが俺の味方だから」 そうなんだ…。 まぁ確かに。こんな派手な身なりをしてるから、あのヒステリックなお母さんに対抗出来るって思うよね。 現に、仁を連れ出しちゃったし。 「渚」 「ん?」 「あんな母親を見たのに、酷い事言われたりしたのに…俺を嫌いにならないでくれて、ありがとう」  
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