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それから暫くして、仁の両親は別居を始めた。
離婚は、まだ小さい妹の事を考えてしないみたい。
ある日仁に呼ばれて気がひけつつ家に行くと、玄関先に仁のお母さんが立っていた。
「どわっ!あの私…じゃあ帰りますねっ」
「渚ちゃん…いらっしゃい」
「………えっ…と?」
なんと。実はお母さんが私を呼んでくれたらしい。
「前に、貴方を叩いてしまった事。失礼な事を言った事を、謝りたくて…本当にごめんなさい」
「あっいえそんな…あの…私打たれ強いですから」
あははと笑うと、お母さんは私を見て優しく笑ってくれた。
「渚ちゃんみたいに、私も強くならなくちゃね」
「お母さん…」
仁はお母さん似なんだなと、私はその笑顔を見て思った。
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