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「好きにしろ」
俺はそう言って、何も付いていない自分の携帯を渚に差し出した。
「うわぁい!ありがとう仁」
何故ありがとうなのかは分からないが、渚は満足げに笑って、赤いストラップを俺の携帯に付ける。
「これね、お揃いなんだー」
渚は俺に携帯を返した後、同じストラップが付いた自分の携帯を見せて笑う。
「じゃあ、無くせないな」
俺がストラップを見ながらそう答えると、渚は俺の腕に抱き着き
「そういう所がもぉ超好き!」
と、大きな声で言った。
渚…
ただ単に、お揃いだから言ったんじゃない。
お前が、俺とお揃いで付けたいと選んで買ってきた物なんだから
このストラップには、お前の愛がこもっているんだろ?
だから、俺はその愛を無くす訳にはいかない。
「大切にするよ」
ストラップも
お前の気持ちも。
「これ今流行っててね!買いに行くのみちるに付き合って貰ったんだー」
「そうか」
渚、お前を愛しているから―。
―END.
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