a strap

3/3
前へ
/164ページ
次へ
「好きにしろ」 俺はそう言って、何も付いていない自分の携帯を渚に差し出した。 「うわぁい!ありがとう仁」 何故ありがとうなのかは分からないが、渚は満足げに笑って、赤いストラップを俺の携帯に付ける。 「これね、お揃いなんだー」 渚は俺に携帯を返した後、同じストラップが付いた自分の携帯を見せて笑う。 「じゃあ、無くせないな」 俺がストラップを見ながらそう答えると、渚は俺の腕に抱き着き 「そういう所がもぉ超好き!」 と、大きな声で言った。 渚… ただ単に、お揃いだから言ったんじゃない。 お前が、俺とお揃いで付けたいと選んで買ってきた物なんだから このストラップには、お前の愛がこもっているんだろ? だから、俺はその愛を無くす訳にはいかない。 「大切にするよ」 ストラップも お前の気持ちも。 「これ今流行っててね!買いに行くのみちるに付き合って貰ったんだー」 「そうか」 渚、お前を愛しているから―。            ―END.
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7467人が本棚に入れています
本棚に追加