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『先生。…俺
先生じゃなきゃダメなんだ……』
毛布に包まれた彼は、少し虚ろな目線で訴えかける。
先生は微笑みながら、彼に話しかけた。
『少し寝ないと疲れちゃうよ?』
彼は閉じそうな瞼に抵抗しながら先生の手をしっかりと握った。
『眠ったら
アイツの所に行くつもりだろ?
知ってんだ!俺!!
カイも先生のコト好きだって!』
声を荒げる彼に先生は困った顔をしながら答える。
『わかった。
ヨウちゃんが起きるまで
一緒にいるよ♪』
『ホントに?』
安心したのか、疲れが溜まっていたのか、彼は返事もしないうちに深い眠りについた。
彼が眠ったのを確認してから、溜め息をつく先生。
周りを見回して、遠慮がちに手招きをする。
『綾子先生。
ごめんなさい、…カイ君
見てきてもらっていいですか?』
『あら
優子先生またヨウちゃん?』
『ええ、捕まっちゃて』
『最近の子は、独占欲が強いから
モテる先生は大変ね??笑』
『五歳児にモテてもねぇ…
それより今日の合コン大丈夫?』
少し離れた場所から、カイ君の泣き声が聞こえる昼下がりのお昼ねタイム。
***end***
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