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しゃらん しゃらん
おとこは今日も枝を振ります
神を清めるたまゆらの儀式無能な自分が出来る唯一の神降ろし
しゃらん しゃらん
おとこはみこでした
しゃらん しゃらん
山合の小さな小さな村
住む人々は農民だけ
けれどもみんなが笑顔で
おとこも笑顔でした
しゃらん しゃらん
そんな小さな小さな村よりもっと小さな小さな小さな小さなヤシロ
それがおとこの住処でした
しゃらん しゃら
――――?
おとこの集中力が乱れます外から幾つかの元気な声がおとこを呼んでいます
――――遊ぼうよ遊ぼうよ遊ぼうよ
おとこは苦笑します
自然と出たそんな表情に自身驚きながら
おとこは枝を置きます
――――出てきたぞぉ出てきたぞぉ
――――貧乏巫子じゃ
奉っとる神は貧乏神かのぉ
――――キャハハハハハハハハ
一斉に囃し立ててくる子供達
おとこは満面の笑顔を向けながら、人差し指を角にみたてこめかみに両手をおきます
山のヤシロに住み着いたおとこと、子供達のおいかけっこ
密かに村で名物となりつつあるそれが、今日も始まりました
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