小夜子(さよこ)

4/35
前へ
/705ページ
次へ
舌足らずな小さな女の子の可愛らしい声が聞こえた。 『お姉さん、だぁれ?』 周りを見渡すとそこはさっきまでいた空間とは全く違っていた。 真っ暗で何もなかった。 ただ女の子の声が聞こえるだけ…。 でも、私は全く怖くなかった。 さっきまでの緊張も怯えもいつのまにかなくなっていた。 梓「私は梓。」 ハッキリと女の子に聞こえるように答えた。 『私は小夜子。お姉さん、私のお話聞いてくれる?』 梓『もちろん、私はそのためにここへ来たんだから。』 そう優しく話しかけると、冷たい何かが私の頬に触れた。
/705ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14324人が本棚に入れています
本棚に追加