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地獄ってのは退屈だ。 何も無い。 あるのは堕ちた人間共の魂を罰する場所だけ。 人間共をいたぶるのも飽きた。 そりゃ堕ちた頃は怒りでいたぶりまくったさ。 神を悪魔におとしたんだからな。 でもそれも段々どうでもよくなってきた。 神だろうと悪魔だろうと疲れるだけだ。 それに此処に来てからこんな人間共に神だ悪魔だと言われてたと考えると馬鹿らしかった。 俺という存在はこんな奴らに左右されていたのかと。 ルシファーが嫉妬するのも分かる。こんな奴らを神は愛するなんて。 フラフラしていると、悪魔達が集まっているのが見えた。 何事かと訊くと、マモンが人間の赤毛を持ってきたという話だった。 しかももう少しで少女の魂丸々を手に入れれたらしい。 しかし赤毛とは…。"赤の女王"の毛か?そんな馬鹿な。 「マモン。」 「これはこれはベルゼブブ殿。」 小馬鹿にした喋り方。尊敬の気持ち等何処にもない。 「何処でそんな珍品手に入れた。」 「企業秘密ですので。」 「この俺に隠し事か?たいしたもんだな。」 マモンは争いたがらない。ちょっとこちらが威嚇すればすぐに退く。 「はぁ。分かりました分かりました。死の国で取引したんです。以上。」 死の国…… 周りがざわめく。 死の国は死神達がいる場所。 マモンが死の国をうろついていると噂には聞いてたが、まさか本当に行っていたとは。 「ベルゼブブ殿が欲しいと望むのならよろこんで差し上げますけれど?」 ふざけやがって。強欲のマモンが人様にあげるだと? 「けっこうだ。」 暇な奴ばっかだ!
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