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人間界に上がってきた。
今人間界はおかしな事になっている。
――…戦争だ。
天界の反乱を思い出す。
同族と同族の争い。
他に解決法は無かったのか。考える暇なんてなかった。というより誰も考えなかった。共和など、選択肢になかった。
死神共が忙しそうに魂の回収をしている。
退屈だ。貪ってやろうと思った。
地に下りる。
さまよう魂達。首根っこを掴むと助けてくれ死にたくないと言う。
とっくに死んでるというのに。
頭からかぶりつく。
糞不味い。あぁ糞不味い。そう思いながらも止めない自分は滑稽だと思う。
気付いた死神が俺を刈りにやって来た。
数字持ちじゃないただの下っば。
燃える炎を操り、死神に向かい放つ。
が、途中で炎が消えた。
現れたのは漆黒の影。
「零ォ……!!」
まさかまた会うとは。
「警告する。帰れ。」
「黙れ!!!!」
炎で包み込むが直ぐに消されてしまう。
やはり攻撃がきかない。たとえ傷を負わせたとしても直ぐに回復してしまう。
あっという間に攻められた。地面に倒れた俺は零を見上げる形となる。
「殺せよ。」
情けはいらない。二度も生き恥を晒すなんて消えた方がマシだ。
零は拳を挙げるが、直ぐに下げてしまう。
あの時と同じ悲しい目をしていた。
「ふざけやがってこの偽善者が!!!!」
零を吹き飛ばす。
くだらない。くだらないくだらない。何なんだアイツは。何なんだあの目は。ふざけやがって!
攻撃したところで意味は無いが、やらずにはいられなかった。
が、不意打ちで喰らった。
攻撃のきた方向を見ると、クラブの数字持ちの死神。下っばから連絡を受けたのだろう。厄介だ。悪魔も死神にかかれば殺されてしまう。
第二波がくる。足が動かない。下を見れば鎖が足に絡まっている。やられた。
避けれないなら上まる力で押し返せばいい。力を溜めていると別の方向からきた何かに吹き飛ばされた。
そのお陰で避けれた。
いったい何かと見てみれば、それは零だった。
魂の体の半分以上が吹き飛んでいる。普通だったら消滅している。
零がいるにも関わらず死神は尚も攻撃を繰り出そうとしている。
零は意識が無い。
「――――ッ!!」
不本意だが、零を抱えその場を離れる。
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