3/5
前へ
/19ページ
次へ
人間界に上がってきた。 今人間界はおかしな事になっている。 ――…戦争だ。 天界の反乱を思い出す。 同族と同族の争い。 他に解決法は無かったのか。考える暇なんてなかった。というより誰も考えなかった。共和など、選択肢になかった。 死神共が忙しそうに魂の回収をしている。 退屈だ。貪ってやろうと思った。 地に下りる。 さまよう魂達。首根っこを掴むと助けてくれ死にたくないと言う。 とっくに死んでるというのに。 頭からかぶりつく。 糞不味い。あぁ糞不味い。そう思いながらも止めない自分は滑稽だと思う。 気付いた死神が俺を刈りにやって来た。 数字持ちじゃないただの下っば。 燃える炎を操り、死神に向かい放つ。 が、途中で炎が消えた。 現れたのは漆黒の影。 「零ォ……!!」 まさかまた会うとは。 「警告する。帰れ。」 「黙れ!!!!」 炎で包み込むが直ぐに消されてしまう。 やはり攻撃がきかない。たとえ傷を負わせたとしても直ぐに回復してしまう。 あっという間に攻められた。地面に倒れた俺は零を見上げる形となる。 「殺せよ。」 情けはいらない。二度も生き恥を晒すなんて消えた方がマシだ。 零は拳を挙げるが、直ぐに下げてしまう。 あの時と同じ悲しい目をしていた。 「ふざけやがってこの偽善者が!!!!」 零を吹き飛ばす。 くだらない。くだらないくだらない。何なんだアイツは。何なんだあの目は。ふざけやがって! 攻撃したところで意味は無いが、やらずにはいられなかった。 が、不意打ちで喰らった。 攻撃のきた方向を見ると、クラブの数字持ちの死神。下っばから連絡を受けたのだろう。厄介だ。悪魔も死神にかかれば殺されてしまう。 第二波がくる。足が動かない。下を見れば鎖が足に絡まっている。やられた。 避けれないなら上まる力で押し返せばいい。力を溜めていると別の方向からきた何かに吹き飛ばされた。 そのお陰で避けれた。 いったい何かと見てみれば、それは零だった。 魂の体の半分以上が吹き飛んでいる。普通だったら消滅している。 零がいるにも関わらず死神は尚も攻撃を繰り出そうとしている。 零は意識が無い。 「――――ッ!!」 不本意だが、零を抱えその場を離れる。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加