動画サイト

5/57
前へ
/57ページ
次へ
「俺だって何でも聞いた訳じゃないぞ? 一回、面倒くさそうな事を断ったこともあるけど、そん時は……」 「そん時は…?」 「…泣きそうな顔された…」 ありゃーと、一也は苦笑いしながら言う。そん時は本当に泣きそうだったから、かなり困った。結局、そん時は渋々彼女に付き合うことにして、どうにか落ち着いてもらった。 「ほら~、席着け、ホームルーム始めっぞ~」 「うわっ、もう来たよ、全然勉強してないのに!」 チャイムが鳴るより一瞬早く、担任の先生が入ってきた。喋り方はこんなんだが、ポニーテールの似合う女性の先生だ。 「起立。おはようございます」 委員長が号令をかけると、先生は相変わらず男っぽい喋り方で、本日の連絡事項を告げる。 「今日からテストだが、不正はしないように。した者は、謹慎処分の上に私が個人的に罰を与えるので、覚悟しておくように。以上」 毎朝のことだが、この先生の話はいつも短い。だが、こういう性格の上美人とくれば、生徒からの人気も高い。だから、個人的にどうこうなんて事を言うと…… 「…おい、先生が個人的にお仕置きしてくれるんだとよ……!」 「……へへ、何かこう、来るよな…?」 盛る男子。まぁ、しょうがないと言えばしょうがないけど……担任てどうよ? 「委員長、号令」 「起立。礼ー」 ホームルームが終わったあと、机の中や周りを片付けて出席番号順に座る。こうなると俺は不幸だ。何故なら、この場合俺の席は教卓のまん前になる。一番前の席だ。 「憂鬱だなぁ……」 ぶつぶつ文句言いながらも、俺はその席に移動。てか、委員長の席なんだけどね。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加