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それはさておき、テストが始まった。俺は黙々とテストを解いていく。
俺は基本的に、自分の部屋では勉強したくない。帰ってからはゆっくりした時間を過ごしたいからだ。だから俺は、授業中にしっかり話を聞いて理解するように心掛けているのだ。
そんなわけで、今日のテストはボチボチだった。みんなもう帰る用意を済ませている。…テスト中の描写? カットです。
「いぃや~、疲れたなぁ圭吾。さっさと帰って一緒に勉強しようぜ」
「いや、俺は帰ったら勉強したくないからパス」
「えぇ~!? いいだろ? 少しくらい~」
「別に俺はちゃんと点数取れるし。部屋では勉強に使う時間を読書にまわしたい」
「…くそぅ…いいよいいよ、ひとりでやりますよ! 今からこもるからな! 呼ばれても明日まで返事しないからな!!」
「お前がしたいならそうすればいいよ」
「…こ…この薄情者ぉぉっ!!」
俺を薄情者呼ばわりして、一也はひとりで走り去ってしまった。よく分からないヤツだ。
「圭吾く~ん! …あれ、一也君は?」
「今から帰って引きこもりになるんだってさ。で、何か用?」
委員長が、帰る準備万端で話しかけてきた。
「うん。途中まで一緒に帰ろ?」
「え…? 俺は別に良いけど…それだけ?」
「それだけだよ? 何で?」
委員長は訝しげに聞き返す。
「いや、途中でまたなんか頼まれそうで」
「うわぁ、ヒド~イ! 確かに色々頼むけど、それだけで一緒に帰ってくれなくなるかもっていうのは……くすん」
うわ、またこれだよ……。俺が何か言うと、すぐ暗い顔する。別につき合ってるわけでも、特別仲がいいわけでもないのにこれだから、俺は委員長が苦手なのだ。
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