プロローグⅠ

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入学式を勝手に割愛することで形式的には何事もなくやって来た高校生活2日目。早速授業があるらしい。高校はせっかちでいけない。 さて、授業中は中学の頃からいつも虚ろ目だった俺だが、この時の授業ばかりは目を見開いたよ。 初めての世界史の授業だ。 どうせまた自己紹介やら世間話で1時限分潰すんだろ?と頬杖をついて虚ろ目を時計辺りに向けて考えていたが、教室に入ってきた世界史教師は。 メチャこえー。 視線で殺そうとしてるんじゃないかと錯覚させる目つき。片目を隠せるほどの長い前髪。悪魔のような長身。 なんだあいつ?ホントに先生?と教室中からざわめきが上がったが、何故か前方より飛来してきたチョークを額に食らって例外なくそいつらは気絶していった。 この先公がやったのか!?信じられん。 世界史教師が口を開く。 「下手な事したら埋葬するぞ」 俺はハッとする。このセリフには聞き覚えがあった。 県内最凶の教師として名高い、皇帝こと鬼桐教師の授業一発目の殺害予告のセリフだ。知名度は高い。 そしてこの教室が、入学当初のあの教室よりも静寂を帯びたのは言うまでもない。 さてそれから連日、皇帝による絶対王政的な授業に度々生徒は面くらい、顔を青ざめさせた。しかしながら少しは耐性が出来てきた頃の、世界史4回目の授業。 爆睡した。 睡眠不足は有り得ない。 ここ最近はこの『皇帝』と世界史の授業という名の精神戦を繰り広げているから疲労最大、ゆえに夜9時にはすぐ床に就いてしまうという、人生において貴重な数日間を繰り広げていたからな。 なのに爆睡? 夢は見なかったと言ったら嘘になるか。時間こそ短かったが内容はとてもリアルだ。見たい夢だったかは別として。 『貴様を、殺して―――』 とても暗い部屋にパソコンが1台。画面に見えるのは、羽―――― その時。頭から鈍い音が聞こえた。 「イタッ!」 その音に悲鳴を漏らし夢から帰ってきてしまった。今の痛みはどうやら現実世界のらしい。
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