未知現世の生徒会

4/27
前へ
/93ページ
次へ
「誰かと行きたいなぁ」 こう愚痴ってしまうのは普通の人間として当然の行動だ。あんな教師の刑罰だ、場合によっちゃ気絶もありうる。 しかしそんなふうにグチグチしてると昼飯食う時間なくなるぞ、と心の片隅にいた冷静な俺が指摘。ふんぎりがついた。生徒会室へ行こう。 足と心にムチ打ってのそのそと進んでいく。 空の雲は相変わらず動かない。 「案外普通の部屋だな」 感想通りで、壁には生徒会作のポスターが張ってあったり、小さく置かれた机には募金箱が佇んでいる。学校をもっと住みやすいところに、だそうだ。 と、外見は腹立つほど普通だったのだ。どこにでもありそうな生徒会室、現に俺の中学にも似たような外見で存在していた。 「ところでこの、設計図?いったい何の設計図だ…?」 手元に視線を落とし、丸めた紙に書かれた文字をなぞる。だいたい30×90センチくらいの画用紙か? 中身、見てみたい。 ……少し見てみよう。 早速輪ゴムを外して中を開いた。癖もなくすぐに広がる様子に少し呆気に取られた。 ……まあ、想定の範囲内であったが、謎の文字で書かれている。一般人には理解できないとかそういった類のものかな?生徒会と職員室の間限定の文字だとか。 …って!そんなファンタジーみたいな! だが想定外だったのは、 設計図と裏に書かれているはずなのに、寸法の数字どころか図すらない。 あると言えば中央の羽?のマークくらいか。 「何なんだこりゃ。未来兵器とかの設計図だったら良かったのに」 うむ、アホなことを言ったのは反省しよう。さて、ちゃっちゃとこんな不気味なもんは生徒会に渡して食堂でカツ丼食おう。 輪ゴムで止め直して、いざ突入。 中は薄暗い。明かりは今俺が廊下から入れた生ぬるい光のみだ。そのおかげで右隅には電卓のある小机、左には埃を纏った本棚があるのが分かる。 しかし人の気配は全くしない。しめた、留守ならさっさとその辺に設計図おいて食堂行こう。とりあえず念のため適当に呼びかけてみる。 「誰かいますかー?いませんねー?じゃあ帰り──」 「ノックは?」 奥にいたか!!しまった、テキトー極まりない言葉口走っちまった! 「それと、遅いです」 「…あ、あぁ、スイマセン」 と少々謙譲めに返す。すると謎の声の主は闇のなかからその姿を現した。
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加