出会い

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金曜日の夜は、ストリートの日。 「菜月、新しい曲出来たんだ。」 「うん。」 この日は新曲披露の日。みんなはどんなことを思いながら聞いてくれるかな? これは人魚の恋をうたった曲。 ―運命と呼べる日が くるまで 指の隙間から 流れ落ちた この細い赤い糸 「コレ、ラブソングだ…」 人魚は糸を つむぎながら あなたのためにうたうよ 私の中から自然と生まれたこの曲………… ――あたしもいつかこの人魚みたいに誰かただ一人のためにうたいたい いつか…… と、突然風が吹く。 「あ………っ」 「楽譜が……」 「ちょっと菜月大丈夫?!」 風で散らばった楽譜の前には一人の男のひとが…。 ―あの人は…誰? 「…綺麗な声だ。まるで人魚みたいだ。」 ―えっ…? 「君、名前は?」 「えっ…な、菜月です。」 ―人魚って…。 「菜月ちゃんさ、いまから俺のために歌ってくれない?」 「えっ…あ、あの…」 「ちょっときて。」 「えっ?!ちょっと…」 ―なに?!なんなの?!
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