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……バン!!
「みんな、集まってー!!」
「総士!?お前さっき帰ったんじゃ…」
「そのこ…ダレ?」
「じゃーん!!人魚捕獲。このこに決定☆」
「はっ!?」
―この人さっきから人魚②って…
「ちょっと💢総士!!あんたはまた勝手なことを…。だいたいこのこちゃんとした舞台経験あるの?」
―舞台…ってここは一体…
「あっ!!ごめん。説明がまだだったね。うちは『劇団セレナ』っていって来月公開する新作ミュージカルの『人魚役』をさがしてたんだ。君、イメージにぴったりなんだ。」
―ってことは…。
「私にお芝居しろってことですか!?む…無理です!!第一そんな経験ないし…。帰ります。」
「大丈夫だって!!『人魚』はただ座ってうたうだけだから。とりあえず、うちの舞台みてよ。じゃないとこのギター返さない!!」
「あっ…ちょっと…。」
―いきなりこんなとこ連れてきといてこの人…。ギターは取られるし…。
「んで、舞台の内容はね―人魚と人間の男のラブストーリーなんだ。とりあえず、はじめだけやるんで。」
―と言って練習が始まった瞬間彼は変わった。
「――声が…人間の歌が聞こえる」
「いくら美しくても人間は化け物じゃないか!!」
「違う!!」
―びっくりした。さっきまであんなにヘラヘラ笑ってたのに。すごい…別人みたい……
…と突然抱き上げられた。「きゃ…」
「ここで人魚登場」
「……💢はなせ!!ちかん!!私やっぱり帰ります。」
「何が『綺麗な声だ。まるで人魚みたいだ。』よ。何かと思えばいきなりちかんするし…。調子のいいことばっか…。」
―俺のために歌ってくれない?
――でもドキドキした。私の歌聞いてあんなこと言った人初めてだから。
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