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「最低」
俺たちが暮らすマンションのリビング。
そこで、目を赤く腫らして、未だに止めど無く涙を流してる。とてもとても、高校生男子とは思えねえ惨状だ。
それでも俺を睨むその瞳には、強い意志が感じられた。
「最低最低最低!最低だお前は!」
「知ってるから、そんな事」
繰り返される罵倒に、あっさりと言い返してやると、言葉を詰まらせる。
いつもの冷静な時なら更に言い返すだろうに、今はそれ以上何も言うこと無く、このリビングから出て行った。
これから自分の部屋に戻って、俺への呪いの言葉を吐きながらさらに泣き続けるんだろうな。
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