ジレンマ 再

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ジレンマ 再

誰もが自分がかわいくて仕方ない、だって自分の中の主人公は自分だからって。 こういう考えはどう? 私はモブキャラ、主人公の誰かさんとどこかですれ違う存在、空気のように。 物語の1コマに掠りもしない、当たり障りもないその他大勢の1人。 顔面は線を十字。目も鼻も口もない。認識されるはずもない。 32巻、続刊。どこに登場していたっけ。 そりゃあ、誰も見ないな、見えないよな。 交わる瞬間があれば、それは相手もモブだから。ページに載らない、言うなれば番外編、の番外編、の番外編、順番待ちをしている。 だとしたら、理解しよう。 ここは私の出番じゃない。私の中の私も主人公じゃない、この世界に私は見えていない。 そうか、仕方ないな。
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