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家鴨の仔
手出しは無用
地べたに今日は
ご機嫌如何ですか
僕はもう駄目ですよ
そちらは如何ですか
じりじり焼ける
皮膚も剥がれてしまえ
太陽にお願い
温度を上げて
僕を焦がして
炭にして
形も無くして
醜い姿にさよならするの
要らないものだったんでしょ
水はもう要りません
もう泳げないの
羽がもげた
毛が落ちた
もう要らないものになったから
調理しても満足などしないでしょう
きっと不味い
食べてくれますか
でも
食べないで
知らん奴の胃に入って
そんままどっかに流れてく
なんか虚しいから
虚しいも何ももう要らないから
あ、
焦げた。
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