ダメなネーム

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歩いて、すぐの所に 小さな公園がある 私が小さい頃は、 よく母と来ていた 昔はいっぱい人もいたのに… 今では全く人がいない スベリ台とブランコしかない公園の近くには川がある… 消して綺麗とは、言えないけど 波が太陽にあたり きらきら輝いていた ぐるぐると公園のまわりを散歩したあと 誰もいない公園のブランコにすわり いつものように、独り言をはじめた 佐「私の漫画って面白くないのかな?」 私の影がゆらゆら動く 佐「…ハァ……」 木の枝をひろい 地面に雫の絵を描く 雫と私がぶらんこをして遊ぶ絵… 佐「フフッ!小さい頃はこうやって…雫の絵をお母さんにみして、遊んでたなー」 私の夢は、 プロの漫画家になり 雫見たいなかわいい子供を産み、旦那と子供とおばあちゃんで、幸せな家庭を作る事! でも… 中卒で恋なんか、した事のない私…、おばあちゃんが生きてる間に、旦那なんて作るのは無理だ… ましてや、彼氏だって無理だよ…… 私と雫の絵に、男の子を書き入れ… 佐「あーー!彼氏が欲しい!恋がしたい!誰か連れてこーーい」 私の声が、公園にひびく 返事なんて、絶対くるわけないのに 耳をすませる私…… 佐「ふっ…むなしいから、帰るか」 私が帰ろうと、ブランコからおりると 「わかった…」 佐「へ?」 微かに声がした それは小さい女の子の声 誰もいないはずの公園で 女の子の声… 青ざめる私の顔… 佐「………」 ダッシュで公園を立ち去る
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