毎日の中で

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(美味しかったなぁ…) (まさか…) (何時も何時も 血を抜かれていたのは…) (そうさ わたしの食事の為さ) わたしは怒りが 込み上げてきた (わたしはあなたなんかの食事の為に毎日、毎日 実験台にされて、嫌と言うほど薬を飲まされて…) (わたしは人間なのよ 少しは人間らしい生活 してみたい…) そこまで言うと 泣き出した (う…ひっく…ひっく) 局長はわたしの前に出る (泣いている姿もいいな だが、君の血は世界を 滅亡させる力をもつ 持ち主なんだ わたしはね、世界にも 興味を持っていてね…) 局長はものすごい力で わたしの手首を掴んだ (痛い…離して) (実は前から 直に飲んでみたいと 思ったんだよ) (飲むって…なんで?) (輸血パックだけじゃ 足りなくなった) 床をみると 輸血パックが何個も 転がっていた (君の血を数年に掛けて 集めたものさ。年月が立つほど深みがまし、味にコクが出て、益々美味だ) (しかし、輸血パックには限りがあってな、そこで転がっているので最後になる (ハァハァハァ…グッ…グァァァ…) 局長が苦しみだす しかしわたしの手首は 握られたまま…
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