プロローグ

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25xx年、 現在の世界は全てがコンピューターに支配されている。 人は生まれる前から将来付く職などをあらかじめコンピューターに”割り当てられて”いる。 大昔はそんな事は無かったようだけど、人は常に争い合っていた。 大きな大きな、それこそ世界中を巻き込んだ戦争が幾度も続いた。 幾度も幾度も争いが続く内に世界中が荒れていった。 人々が疲れ、絶望し、嘆くなかでこの制度と統合政府が誕生した。 正直馬鹿馬鹿しい制度だと思う。 けれども、疲れきっていた人々は驚くほどにこの制度をあっさりと受け入れてしまった。 そして現在、 世界に戦争なんてものは無い。 コンピューターによって人が完璧に管理されているためそんなものは起きたりしないのだ。 しかし、それは同時に世界から『変革』を失わせた。 完璧に管理されているが故に変化なんて訪れないのである。 だから世界はずっとこのままなのだ。 表面上争いの無い平和な世界のまま続いていく。 統合政府の下でコンピューターに永遠に管理されながら。 それが今の世界。 そして人々。 一部例外としてこの体制に反発する人たちもいるにはいる。 レジスタンスと称し統合政府へテロ行為を行う者たち。 私はそのレジスタンス達の制圧を主な任務としている特務部隊諜報課所属の諜報員。 でも正直、私は現状を受け入れきっている人形みたいな人たちよりもよっぽどレジスタンス達のほうが好感を持てる。 少なくとも彼らは現状に変化を望んでいるのだから。 とはいえ、そんな彼らを制圧するため現在作戦実行の真っ最中なのだけれど。 『 作戦内容 先日発見されたレジスタンスの拠点内部の詳細な調査、及び他のレジスタンスの拠点につながる情報の収集 』 内部の調査、これは後日行う掃討作戦のための調査 つまりはレジスタンス達を殺すための準備である
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