プロローグ

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けたたましい警報音と共に非常事態を示す赤いランプが点滅し部屋中を赤い色に染めて異常事態を示す。 「圧力レベル、臨界点突破!!尚も上昇中!!」 「エネルギーを制御仕切れません!! 暴走です!!」 遠くで白衣の者たちが血相を変えて悲鳴のように報告しあっている。 「あぁぁぁぁ!! もう駄目だ!!全員避難しろォッ!!」 蜘蛛の子を散らすように白衣の者たちは我先にと出口へ一目散に駆けてゆく。 とにかく、ここから出なければッ!! 湊も急いで通気孔から逃げるのでは間に合わないので出口へ駆けようとした瞬間、暴走した機械から炸裂するような形容のし難い音と共に凄まじい衝撃が湊の体を強く叩きつけ、目の前を真っ白に染め上げた。 そのまま湊は体中が針金できつく縛られたように全く体を動かすことができなくなり、意識が急速に闇に沈んでいくのを感じた。 私は、こんな所で死ぬのか? 人形のように操らたまま、死んでいくのか? でも不思議と恐怖心や嫌悪感は無かった。 死んでしまえばもう、息をするだけで人形みたいな生き方をしなくていいのだ。 少しだけ、何故か虚しいけれど……。
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