プロローグ

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「なんだこりゃ、何かの封印か?」 「宝は!?宝はねーのかよ!?」  意外な光景に驚く盗賊達。すると、魔法陣の輝きが揺らぎ、空気が振動し、球体が脈打ち始める。 「お、おい…!」 男達がざわめく。魔法陣の輝きはどんどん弱くなり、それに反して球体の脈動はどんどん激しくなっていく。 「宝が出て…くるのか…?」 魔法陣の輝きが完全に失われた瞬間、球体が水風船を割ったかのように破裂した。封印の魔力の飛沫が虹色にきらめきながら地に落ちる。 中から出てきたのは、 「お、女…だと…!?」 そこに降り立ったのは、白いコートを着た黒髪の少女だった。前髪のピンが微かに輝く。 「どういうことだ!?」 「宝は!?」 「話が違う!!」 騒ぎ出す男達。少女が目を開いた瞬間、男達が静まる。彼女の腰の二つのホルスターにはそれぞれ拳銃が納まっており、留め具は外れている。 少女の手が動いた。 「う、撃てっ!!」 男達のマシンガンが一斉に火を噴いた。
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