17人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
「なんだこりゃ、何かの封印か?」
「宝は!?宝はねーのかよ!?」
意外な光景に驚く盗賊達。すると、魔法陣の輝きが揺らぎ、空気が振動し、球体が脈打ち始める。
「お、おい…!」
男達がざわめく。魔法陣の輝きはどんどん弱くなり、それに反して球体の脈動はどんどん激しくなっていく。
「宝が出て…くるのか…?」
魔法陣の輝きが完全に失われた瞬間、球体が水風船を割ったかのように破裂した。封印の魔力の飛沫が虹色にきらめきながら地に落ちる。
中から出てきたのは、
「お、女…だと…!?」
そこに降り立ったのは、白いコートを着た黒髪の少女だった。前髪のピンが微かに輝く。
「どういうことだ!?」
「宝は!?」
「話が違う!!」
騒ぎ出す男達。少女が目を開いた瞬間、男達が静まる。彼女の腰の二つのホルスターにはそれぞれ拳銃が納まっており、留め具は外れている。
少女の手が動いた。
「う、撃てっ!!」
男達のマシンガンが一斉に火を噴いた。
最初のコメントを投稿しよう!